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【今週の提言】 MRはどう生きるか

 医薬経済社のTwitterアカウントが7月12日に投稿した「製品説明会での弁当提供、禁止を検討 メーカー公取協 業界内は賛否両論、「MRの仕事がなくなる」」のリツイート数が200を超えた頃、厚生労働省は「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン(案)」を発表し、パブリックコメントの募集を始めた。意見締切日は8月13日。

 本社のコンプライアンス部門で厳しい審査をしても、現場がそのルールを遵守しなければ意味がない。そのため、今回のガイドラインでは、経営者に対し、必要な社内体制の整備、適切な評価制度・報酬の設定、教育の実施、手順書・記録の作成・管理、不適切な販売情報提供活動への対応について、リーダーシップを発揮することを求めた。同時に、販売情報提供活動の資材等や活動自体の適切性等をモニタリングする部門(販売情報提供活動監督部門)を社内に設置することを明記した。

 冒頭の“弁当問題”も「先生から余った弁当を3つもらった」などのコメントが“インスタ映え”する高級弁当とともにSNSにUPされるなど、不適切な事例が跡を絶たないことが「禁止」に向かう要因のひとつだろうが、ルールは必ず破られるものだ。弁当は参加者のお腹を満たすだけで患者の命に関わることはないが、医薬品情報は、弁当のように扱ってもらっては困る。だから、経営者の責任を明確化してモニタリング機能を強化することになっただろう。

 一方、制限が多く、MR活動のモチベーションを下げていた未承認薬・適応外薬に関する情報の提供については、「医療関係者から求めがあった場合には、当該情報を当該医療関係者へ提供することは差し支えないこと」と明記された。ただし、経緯、提供先、提供内容等、情報提供に関する記録を作成し、保管することが義務づけられる。

 このガイドラインは、MRはもちろんのこと、MSLを含めた医薬品製造販売業者等が雇用するすべての者に対して適用されるため、適応外はMSLという単純な考えは通用しなくなりそうだ。

 製品説明会における弁当提供禁止と、今回のガイドラインの動きは、MR活動の“正常化”に向けて前向きにとらえたい。

 これらのルールが変わったとき、改めて「MRはどう生きるか」が問われることになる。 

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川越満(かわごえみつる)  1970 年、神奈川県横浜市生まれ。94年米国大学日本校を卒業後、医薬品業界向けのコンサルティングを主業務 とするユート・ブレーンに入社。16年4月からは、WEB講演会運営や人工知能ビジネスを手掛ける木村情報技術のコンサナリスト®事業部長として、出版及 び研修コンサルティング事業に従事している。コンサナリスト®とは、コンサルタントとジャーナリストの両面を兼ね備えるオンリーワンの職種として04年に 川越自身が商標登録した造語である。医療・医薬品業界のオピニオンリーダーとして、朝日新聞夕刊の『凄腕つとめにん』、マイナビ2010 『MR特集』、女性誌『anan』など数多くの取材を受けている。講演の対象はMR志望の学生から製薬企業の幹部、病院経営者まで幅広い。受講者のニーズ に合わせ、“今日からできること”を必ず盛り込む講演スタイルが好評。とくにMR向けの研修では圧倒的な支持を受けており、受講者から「勇気づけられた」 「聴いた内容を早く実践したい」という感想が数多く届く。15年夏からは才能心理学協会の認定講師も務めている。一般向け書籍の3部作、『病院のしくみ』 『よくわかる医療業界』『医療費のしくみ』はいずれもベストセラーになっている。

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